栗田です。今回は「セグメンテーションとは何なのか」というテーマでした。前回同様学校の後輩たちに向けて説明するということを仮定しなければならないので、学生でも理解出来るようにまとめてみました。
目次
- セグメンテーションって何?
- なぜセグメンテーションする必要があるの?
- どうやってセグメンテーションすればいいの?
- 帽子屋でセグメントテーマと要素を出してみる
- ターゲティングをしてみる
- ペルソナを設定する
セグメンテーションって何?
セグメンテーションとは、一言で言うと「お客様を分けること」です。もっと詳しく言うと、ターゲットとなる顧客層を決定するために分類することです。例えば居住地であったり年齢、趣味、行動パターンなどの固まりに分けて市場を細かく分ける方法のことを言います。
なぜセグメンテーションする必要があるの?
ではなぜセグメンテーションする必要があるのか、それはターゲットを絞って売りやすくするためです。人は自分により特化したものを欲しがります。逆に言うと、自分に関係のないものやそのものを持っていても特に利益のないものは欲しがりません。
一番その違いが分かることで言うと本屋です。本屋はターゲットの数だけ本が置いてありますが、お店に来るお客さんは自分が興味を持つもの、つまり「自分事の本」しか読みません。なので「他人事」の本は読みません。これが「自分事」と「他人事」の違いです。
どうやってセグメンテーションすればいいの?
ここまででセグメンテーションについて分かってきた所で、次にどうやってセグメンテーションすればいいのか考えてみましょう。
セグメントには「基本セグメント」と「固有セグメント」の二種類があり、ターゲットを絞るためにたくさんの切り口を考えなければなりません。
基本セグメント
事業、製品、サービスを問わず、多くの事業に共通する切り口
→どんな情報でも聞いておいた方がいいこと(例:年齢、性別、年収など)
固有セグメント
事業、製品、サービスに直接的に関わる切り口
→その商品にしか関係のないこと(例:帽子の場合 種類、普段着の傾向など)
そしてたくさん出すことも大事ですが、出した中でどれが大事な切り口なのか考えることが重要です。
帽子屋でセグメントテーマと要素を出してみる
実際に「海外で仕入れてきた帽子を販売する帽子屋さん」でセグメントテーマと要素を出してみました。
基本セグメント
- 年齢(10代以下/20代/30代/40代/50代/60代以上)
- 性別(男/女/その他)
- 居住地(東北/関東/中部/近畿/中国/四国/九州/その他)
- 子供(いる/いない)
- 趣味(インドア派/アウトドア派)
- ネットを使う頻度(毎日/ほぼ毎日/ほとんど使わない/全く使わない)
- ネットの閲覧方法(PC/スマホ)
- 普段使うECサイト(モール型/独自店舗型)
- 好きなお店(可愛い系/格好良い系/シンプル)
- 家族構成(1人/2人/3人/4人/5人以上)
固有セグメント
- 種類(ベレー帽/ハット/ニット帽/キャップ/その他)
- 1つの帽子にかける金額(5000円以下/5000円~1万円/1万円~2万円/2万円以上)
- 被る頻度(毎日/時々/ほとんど被らない/全く被らない)
- 好みの帽子のタイプ(可愛い/綺麗め/格好良く/シンプル)
- 普段着の傾向(カジュアル/フォーマル/その他)
- どこで作られたか(国内/イタリア/フランス/中国/アメリカ/その他)
- 被るシチュエーション(普段使い/出勤・退勤/結婚式など)
ターゲティングをしてみる
セグメントテーマと要素を出した所で、そこからターゲティング(セグメント項目の中からターゲットとする層を選択すること)します。
基本セグメント
- 年齢(20代)
- 性別(女性)
- 居住地(中部地方)
- 子供(いる)
- 趣味(インドア派)
- ネットを使う頻度(ほぼ毎日)
- ネットの閲覧方法(スマホ)
- 普段使うECサイト(モール型)
- 学歴(大卒)
- 好きなお店(シンプル)
- 家族構成(3人)
固有セグメント
- 種類(ベレー帽)
- 1つの帽子にかける金額(5000円~1万円)
- 被る頻度(時々)
- 好みの帽子のタイプ(シンプル)
- 普段着の傾向(カジュアル)
- どこで作られたか(国内)
- 被るシチュエーション(普段使い)
ペルソナを設定する
ターゲティングしたものを元にペルソナを設定します。
26歳女性
職業:パート
年収:90万円
家族構成:夫、娘1人
世帯年収:450~500万円
居住地域:山梨県
居住形態:一軒家
移動手段:車
情報収集:SNS
趣味:テレビを見ること
不満、不安、不便:
- インドアなのであまりと遠出をしない
- 娘とお揃いの格好とかをしてもっとお出かけをしてみたい
- 東京までの距離が中途半端に遠い
幸せに感じること:家でゴロゴロすること、家族でのんびりテレビを見ること
典型的な平日の過ごし方
- 朝9:00~17:30まで仕事をする
- 18:00から夕食の支度をする
- 19:00には夕食を食べ、20:00にはお風呂に入る
- 21:00まで娘と夫と3人で一緒にテレビを見るか、遊ぶ
- 21:00に娘を寝かしつけた後は夫とゆっくり話をしながらお酒を飲んで過ごす
典型的な休日の過ごし方
- 朝遅くに起きる(10時くらい)
- 朝昼兼用のご飯を食べる
- 気が向いたら3人でお出かけをする
- 出かけない日はネットサーフィンをしたり、テレビを見て過ごす
ペルソナストーリー
3人家族で平日はパートと家事の両立を頑張っている。夫は車の部品を扱う工場の社員。
娘が3歳になったので、一緒にオシャレをして色々な所にお出かけをしたいと思い始めているので、手のつけやすい帽子を買おうとしている。
しかし、近くに好みの帽子を売っているお店がないし、東京まで行くにも微妙に距離があり、あまり遠出をするのも好きではないのでどこで買おうか迷っている。普段はカジュアルめな服を着ており、それに合う帽子を探している。基本的にUNIQLOの服をよく着ている。
ペルソナを一言で表すと
娘のことが大好きなインドア派のパートさん
前回作ったペルソナと比べてみると、今回のペルソナは成人していて子供もいたり居住地域が全然違っていたりと大幅に設定が変わっています。
前回はセグメンテーションをせずにペルソナを決めてしまったため、セグメンテーションをしっかりと行って作った今回のペルソナとこのような違いが生じてしまったことが分かります。
最後に
セグメンテーションをすることで企業側の思い込みで作る商品ではなく、より確実に顧客に沿った事業を行えることが分かりました。
そして、セグメント→ターゲティング→ペルソナの設定というこの順番を大切にしなければならないということが分かりました。