ソーセージを食べながらECサイトの価格戦略を考える
この記事を書いた人
1976年 静岡県生まれ。CEO、ブランドマネージャー、ディレクター、コピーライター、日曜エンジニアと5足のわらじで活動中。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会『ブランドマネージャー1級資格』保有者。
みなさん、贅沢の基準って持っていますか?
例えば、今日僕は『大石農場ハム工房のソーセージ』で数種類のハム、ソーセージを買いました。
掛川市の南端、車がないとちょっと行くのが難しいところにある大石農場ハム工房では、世界から認められるハム職人が作るドイツ製法のハム、ソーセージを買うことができます。
今日買ったのは、モッツァレラチーズが練り込まれたソーセージ、ジャガイモを材料に使ったソーセージ、ピスタチオ入りのハム。テイクアウトのホットドッグ。
普段なかなか来ないお店なので、ついつい買いすぎてしまいました(笑)
このお店のソーセージの価格帯は、100gで500円前後の商品が多かったと記憶しています。
この価格帯について、僕のこころの中では『贅沢品』に分類されます。
なぜなら僕のこころの中には『シャウエッセンの値段を超えるソーセージは贅沢』という基準が存在しているからです。
パリッと美味しいシャウエッセンは、100gあたり約150円。これが何もない日常で悩まず買い物かごに入れることができるギリギリのライン。
だから僕はシャウエッセンを買うときに、ほんの少しだけ背徳感を抱くのです。背徳感に押し潰されそうなときは『燻製屋』や『香燻』に逃げてしまいます。
そんな価値観をもった僕が、100gあたり約150円を超えるソーセージを買うことは、普通はありません。
価格戦略と市場の関係性
しかし、ソーセージに求める価値を『週末限定の、非日常な食事体験』とするとどうでしょう。
そのとき、僕の贅沢の基準は、シャウエッセンからブランド牛の赤身肉に代わります。
ブランド牛を食べようと思えば、部位によれど100g500円以下ではそうそう食べることができません。
それであれば、非日常体験というニーズを満たしてくれる大石農場ハム工房のソーセージは安いものです。
このように、価格戦略は「市場をどこにするか」を考えることが大変重要になってきます。
ソーセージを売るのであれば『毎朝の食卓にならぶソーセージ市場』と『週末の食卓を豊かにするソーセージ市場』では価格戦略がガラリ変わるというわけです。
ECサイトの売り上げが伸び悩んでいる場合、この話を参考に市場を再定義してみるとよいかもしれませんね。