身内(家族・親戚・友人)からの仕事を断っている理由
この記事を書いた人
1976年 静岡県生まれ。CEO、ブランドマネージャー、ディレクター、コピーライター、日曜エンジニアと5足のわらじで活動中。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会『ブランドマネージャー1級資格』保有者。
いよいよ後期高齢者になろうという僕の母親には、「コーラス」という趣味があります。俗に「ママさんコーラス」と呼ばれるものといえば、それはそうなのですが、母が参加しているのは嗜んでいるのは『オペラ歌唱』とよばれるジャンルのものです。もはや参加という概念を超えて、オペラサークルを運営している立場のようです。
さて、今日はそんな母から「私がお世話になっている音楽教室が主催する、音楽発表会の撮影をしてほしい」と依頼され、焼津市の文化会館まで行ってきました。
かわいい幼児たちの打楽器演奏から始まり、母の所属するオペラサークルの団体歌唱までトータル30演目以上。会社の一眼レフ(Canon EOS D80)のトレーニングには良い機会になったと思います。
音楽教室の主催者さんからは謝礼と素敵なお土産まで頂いてしまいました。ありがたく頂戴したのですが、僕はただ身内からの依頼で来ただけなので、この待遇には恐縮しきりです。
身内の仕事に対する考え方
今日のことは、単純に「親の趣味に子供が付き合った」だけの話。会社としての仕事ではありません。
しかし僕らのような業界では、親族や友人という近い関係の人たち(広義の意味で『身内』と呼ばれる人たち)から仕事を依頼されることが、わりと頻繁にあります。仕事の依頼だけでなく、仕事を紹介されること、人を紹介されることは本当によくある話です。
僕と同じくweb業界やデザイン業界で起業した人はゴマンといると思いますが、同業のみなさんがこのような『身内の仕事』について、どのようなスタンスをとっているのか気になります。
ちなみに僕は『身内の仕事』が好きではありません。僕のために仕事を作ってくれる、その御厚意には心から感謝しているのですが、身内の仕事ほどやりにくいものはありません。だから本当に「ごめんなさい」。
身内の仕事はリスクが大きすぎる
身内から相談されると、たとえ「あんまり面白くなさそうだなぁ」「うちの強みが活かせないなぁ」「予算が心配だなぁ」と感じても、相手の顔に泥を塗るわけにもいかず、悶々とした気持ちで引き受けることになります。
また、どんなお客様が相手でも適正価格で取引したいところですが、身内となると『お友達価格』にしなければならないような気がして葛藤するのです。もし「ちょっと安くやってよ〜」と値引きを求めてくる人がいれば、そんな人は身内だとも思いたくもないのですが、実際問題どうしてもこちら側からの配慮が必要だったりします。
やりがいやお金の問題だけではありません。身内だからこそ、放っておけない問題に首を突っ込んでしまいがちなのです。そこまでやったら赤字というシーンでも「それをやらなければ、身内はこの先きっと苦労する」と思えば、ついつい対価以上の作業にも手を出してしまうのです。もちろん僕の性格の問題あると思いますが、それを改善する自信がない以上、最初から引き受けない方がよいはずです。
起業当時は、とにかくなんでもやっていかないと行き倒れてしまうような状況だったので、身内の仕事もバンバン対応してきましたが、いまようやく落ち着いてきたので、身内の仕事について整理する時期が来たのかなと感じています。
余談
余談ですが、身内との仕事になると、平日休日を問わずLINEやその他のメッセンジャー、あるいは僕の個人携帯への直電で仕事の話をしてくるのですが、そうなってしまうのもイヤなのです。会社で仕事を請けた以上、法人格でコミュニケーションをとりたい。そう考えるのは僕のわがままでしょうか?