広告を「運用する仕事」ってなんだろう
この記事を書いた人
1976年 静岡県生まれ。CEO、ブランドマネージャー、ディレクター、コピーライター、日曜エンジニアと5足のわらじで活動中。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会『ブランドマネージャー1級資格』保有者。
かねてよりお付き合いのあるクライアントからの依頼で、web広告からECサイトに誘導するためのランディングページ(LP)の制作を行なうことになりました。
ランディングページには「新規顧客開拓」という大きな役割がありますが、こちらのクライアントから話を聞き進めていくうちに、「すでに公開しているランディングページで、取りこぼしている顧客がいるのではないか?」という仮説をもっていることがわかりました。
つまり、ランディングページの種類をさらに増やし、A/Bテストをしながら広告の成果を最大化しようと考え、僕らに声をかけてくれたのです。
広告代理店の役割って?
僕らはランディングページの構成を考えるために、広告の出稿先、媒体の特徴、リーチするユーザー層を引き出そうとしましたが、クライアントから帰ってきた答えは「そこは広告代理店に一任しているので、よくわかりません」とのこと。
うーん、広告代理店しか中身を見ることができないブラックボックスのような状態で、広告の効果を最大化を考えようとするクライアント。なんだか嫌な予感がします。
さらに聞けば、その広告代理店(←超大手)のやり方といえば費用をかけて「露出の量」を増やすばかりで、効果の最大化を考えた提案をしてくれないというのです。だからこそ、このクライアントは危機感を覚え、ランディングページの数を増やすことで自分たちの力でROI(投資利益率)を最大化しようと考えたのです。
話を聞いて、僕はこの広告代理店のズサンな仕事に呆れてしまいました。
私見ですが、広告運用という仕事は「広告を配信して終わり」ではないと思います。顧客の利益の最大化を目的に、配信結果を分析し、PDCAを回していく仕事だと思います。広告枠を売って終わりの仕事ではないでしょう(元々そういう契約で合意しているなら別ですが)。
「ランディングページの種類を増やしてA/Bテストを実施しましょう!」といった施策自体、本来であれば広告代理店からクライアントに提案するべきものです。
今回のクライアントは、たまたまwebマーケティングへの理解が深く、自分たちから改善策を導きだせました。しかし、webマーケティングに詳しくない企業は、こんなズサンな運用に莫大な費用を請求されているのか…と思うと、なんともやるせない気持ちです。
誰かの笑顔のために動こう
クライアント自身もこの状況に危機感を持っており、「もっと親身かつ理論的な広告運用ができる会社を知りませんか?」と僕らに尋ねたのです。
クライアントの悩みは、僕らの悩みということで、信頼できるツテを頼って優良な広告会社やプロダクションを探すことにしました。
僕らがお手伝いするのはクリエイティブの部分だけなので、広告会社を紹介したところで1円の収益にもなりません。下手にプロダクションを紹介してしまうと、僕らの仕事自体がなくなってしまうかもしれません。
でも、その時はその時です。誰かの笑顔のために動くことが、スターズデザインの価値観ですから。クライアントの商売が成功すれば、巡り巡って僕らのところに利益が生まれると信じています。