【共感ブランディングラボ】架空ECサイトのブランディング体験 vol.1-2
前回のラボ(vol.0)では、ブランド・マネージャー認定協会が提唱する『ブランド構築の8ステップ』をご紹介しました。ここからはいよいよ、ブランディングに着手します。
環境分析による市場機会の発見(前編)
自社を知る(オーナーの設定)
ブランディングの第一歩は、自社(自分)を知ること。
まずは「自社の情報」と「ブランディングに取り組む理由」を整理したいと思います。
今回は架空のECサイトが舞台ということで、架空のオーナー像を作ってみました。
名前:岡本ワカ子(70歳)
静岡県森町に住んでいる主婦。若い頃から菓子職人としてケーキ教室の講師などの活動をしてきたが、現在はリタイアしている。
しかし、老後の生きがいのために、もういちどアトリエに立つことを決意。自分の技術と経験を生かした「お菓子のネット通販」を始めたいと考えている。
デザイナーの娘のサポートを受けながら、誰にも真似できない自分だけのお店を持ちたい。
ここまでの設定を、ブランド・マネージャーの資格をもつ先輩社員に見せたところ、「オーナーの人物像・価値観について、もっと深くインタビューしたほうが良い」と、アドバイスを受けました。
自社(今回の場合はオーナー)のことを深く理解していなければ、次以降のステップで苦労することになるようです。
そこで、今回はインタビューした ”つもり” になって、以下の設定を追加してみました。
【キャリアについて】
・静岡県周智郡森町で夫と2人で暮らしている。隣町に娘(デザイナー)が住んでいる。
・若い頃から著名な菓子研究家のアシスタントを勤め、料理番組や専門誌に掲載する菓子の製造に携わってきた。
・ドイツに短期留学し、本場のドイツ菓子を学んだ経験がある。
・個人としても自宅でケーキ教室を開き、講師として活動していた(子供の独立を機に、リタイア)。
【製菓・調理について】
・洋菓子・和菓子・パンなど、ジャンルにとらわれず製造することができる。
・デコレーションよりも、見えないところに一手間を加えて味に個性を出すほうが得意。
・食材にこだわりが強い。高級食材よりも「特産品」「旬の味」「珍しい素材」を好む。
・おいしい食材のためならどこまでも足を運び、生産者と直接交渉するバイタリティーを持っている。
・食材の目利きには自信がある。
・野菜や果物を自家栽培している(トマト、しそ、バジル、いも類、ズッキーニ、りんご…)。
・ただ甘ったるいだけのスイーツは個人的に好まないため、作りたくない。
【ビジネス観について】
・年齢よりも若い感性を持ち、若者向けのカルチャーにも理解がある。 (スマホ、SNS、カメラ、食べ物、雑誌、服・・)
・金儲けよりも、仕事の楽しさ、食べた人の反応を大切にする。
・事業は成功させたいが、寝れなくなるような多忙さは望んでいない。
・職人のプライドから、安くたくさん売りさばくような売り方はしたくない。
・自宅兼工房に置かれたオーブンはセミプロ用のサイズ。大量生産はできない。
架空のわりにリアルな設定ですが、それもそのはず、実はモデルになっている人物がいます。(この話は、またの機会に・・)
今日から私はこのオーナーになりきって、実際にブランディングに取り組んでいきたいと思います。
ブランディングの目的を整理する
ようやく、オーナーの特徴と価値観が見えてきましたね。
次は、ブランディングの目的を整理したいと思います。
これも私が考えた追加設定ですが、ワカ子さんには次ような悩みがあります。
” お菓子づくりは自信があるし、食べてもらえれば良さは伝わるはず。
でも、最近はコンビニスイーツもずいぶん美味しくなっているし、
有名店のケーキも通販で買える時代。
大量生産して安売りできるわけでもないし、「私らしいお菓子」をしっかり確立して
お客さんに認知してもらわないと、すぐ潰れちゃうかも・・。 “
ブランディングの目的はズバリ!
『私らしいお菓子を確立し、顧客に認知してもらうことで、競合に勝つ』です。
本日はここまで。
次回は、外部環境の整理〜市場機会の発見に取り組みたいと思います。
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