虹とガラパゴスの闇
この記事を書いた人
1976年 静岡県生まれ。CEO、ブランドマネージャー、ディレクター、コピーライター、日曜エンジニアと5足のわらじで活動中。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会『ブランドマネージャー1級資格』保有者。
虹
雨がやみ、夕方の空に大きな虹がかかりました。
なにか大きなことが動きそうな、そんな予感がします。
虹を見ると無条件に思い出す曲があります。それはTHE BOOMの「虹が出たなら」という曲。
いまから30年前、1989年に発売された「A PEACETIME BOOM」というアルバムに収録されています。
当時は第二次バンドブーム真っ只中で、僕は12〜13歳。この多感な時期に狂ったように聴いてたTHE BOOM、JUN SKY WALKER(S)、ユニコーン、そしてTHE BLUE HEARTSといったバンドの楽曲は、いまでもフトした瞬間に頭のなかに流れます。
いまでも彼らは僕のヒーローです。
こんな話を書いていたら、なんだか当時に戻って『オリジナルカセットテープ』が作りたくなってきました。いつか自社のプロジェクトでやりたいけど、若いデザイナーたちから「これなんですか?」と言われそう・・。
ガラパゴスの闇
猫も杓子もサブスクな世の中。
僕らもまた、サブスク型のサービスなしでは生きていけません。Adobe Creative Cloud(コンプリートプラン)で5000円、モリサワ書体(モリサワパスポートONE)を使うのに5,000円、それにAdobe Stockのようなフォトストックでも3,000円ぐらいかかります。
Adobe・モリサワという先生方の庇護をうけながらデザインの仕事をしようとすると、月の固定費がザッと13,000円かかるワケです。
これが英語圏ともなれば、まずもってフォント代がそんなにかかりません。
伝統的なフォントならAdobe Creative Cloudに付属するAdobe Fontで十分だし、ダウンロード販売型のデザインフォントだって日本語フォントよりも格段に安いです。
安さの秘密は、「文字の数」です。
日本語と英語をくらべると「文字数」が圧倒的に違うので(日本語にはひらがな、カタカナ、漢字がありますね)、開発費が小さい英語フォントは安く提供できるのです。逆に、日本語フォントの開発には世界的にみると異常な手間がかかっていて、それだけにライセンス費も高いのです。
また、英語圏はフォント以外の素材(グラフィックやイラスト、各種CMSのテーマなど)のマーケットプレイスも成熟しています。安くて品質の良い素材がweb上にゴロゴロ転がっているので、うまく活用しながら制作すれば工数を大幅に削減できることでしょう。
ところがそういった海外製の素材は、ガラパゴスなデザインが評価される日本では非常に使いにくいのです。
日本でデザインするには、とにかく金がかかるのです。ガラパゴスの闇です。