あなたは喫茶店にどんなベネフィットを感じるか
毎晩、睡眠前の1時間は本を読むようにしているのですが、昨晩は睡魔にどうしても打ち勝てず、読書をそうそうに諦めて眠ってしまいました。
念のため補足しますが、睡魔に対して必死に抵抗したのです。しかし眠気があるときの読書はどうにも集中できません。読み進めることは出来ても、頭のなかに情報が定着しない感じがします。
さて、自分で決めたルールを守らないのは気持ちが悪いものです。なんとか1時間分の読書時間をカバーしようと今朝はいつもより早めに起床して、ササっと身支度をして早朝営業の喫茶店できっちり1時間分、本を読みました。
コーヒーの向こう側にあるもの
普段は騒々しい喫茶店も、早朝はほどよく落ち着きがあり、読書の環境としては最高です。さらに、朝は1日でもっとも頭が冴えている時間帯でもあり、普段以上のペースで読書が進みます。気がつけば、読了まであと2~3日かかると思っていた本ですが、なんとこの1時間で最後まで読みきることが出来たのです。
僕が注文したのはアイスコーヒーとモーニングセットの500円。この値段であれば毎日でも通いたいと思えます。
そうは言っても、決して毎朝コーヒーが飲みたいわけではありません。コーヒーを飲みたいだけなら、自宅のコーヒーメーカーで淹れれば良いのです。美味しい豆を手にいれることも難しくないし、一杯あたりのコストだって1/5程度で飲めることでしょう。
僕は、誰にも邪魔されず集中して読書できる時間や空間に500円以上の価値を感じたのです。「コーヒーの向こう側にある価値」と呼べるかもしれません。
ベネフィットのない商品は売れない
マーケティングの勉強をした人ならわかると思いますが、あらゆる物が溢れたこの時代に、商品やサービスを売っていくためには「ベネフィット(顧客の便益)」を高めていく必要があります。
僕のような人間をターゲットにした喫茶店なら、コーヒーの種類やフードメニューを増やすよりも、お冷やのおかわりをセルフサービスにするだけでリピート率があがるかもしれません。(店員さんに声をかけられると集中が切れてしまうので、セルフサービスのほうがありがたいのです)
また、コーヒーそのものよりも空間に価値を感じているので、My席のような権利があれば多少割高でも飛び付くかもしれません。
ベネフィットは、顧客ごとに異なります。コーヒーの種類や値段に価値を感じる人もいれば、マスターとのおしゃべりの時間に価値を感じる人もいます。
人気ショップと呼ばれるECサイトは、ターゲットにとってのベネフィットを常に考え続けています。自慢の商品なのに、なかなか売れなくて…と悩むEC事業者さんは見習うと良いでしょう。