スターズデザインの歴史っぽい話
この記事を書いた人
1976年 静岡県生まれ。CEO、ブランドマネージャー、ディレクター、コピーライター、日曜エンジニアと5足のわらじで活動中。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会『ブランドマネージャー1級資格』保有者。
コーポレートサイトのリニューアルから23日、欠かさずブログを更新してきたけれど、いよいよネタ切れです(笑)。
毎日毎日、そんなに面白いことも事件もありません。EC界隈のニュースでも引っ張ってきてブログネタにしようと思ったけれど、それほど面白い話もなく。
たわいもないニュースをネタにして書くこともできますが、それでは面白くもないので、本日はスターズデザインの歴史っぽい話をしたいと思います。
ウェブ制作会社から、ECを軸にしたクリエイティブ・カンパニーへ
僕が「ローカルストラテジー」という屋号で起業したのは2012年冬のことでした(そこから4年半後、法人化し、スターズデザインが誕生することになります)。
起業当時は、「webマーケティング力とデザイン力で、地方の零細企業にも東京基準のウンタラカンタラ」というミッションを掲げていました。
しかし当時、まだ何の実績も持たない僕に仕事を頼もうという企業は多くありませんでした。起業するともれなく「ご祝儀案件」がもらえると聞きましたが、そんなもの都市伝説だと気付かされるのでした(笑)。
以前の勤め先だったEC支援会社の取引先に根回して、当面食べていくだけの案件を確保した状態で独立すれば、このような苦労もなかったことでしょう。そうやって首尾よく独立した元同僚もいます。しかし顧客を引き抜くということは(たとえ顧客がそれを望もうと)育ててくれた会社への不義理。僕にはできませんでした。
雑食の時代
こんな状況なので、僕らはどんどん「雑食」になっていきました。
美容院のサイト、接骨院のサイト、OLさんの副業サイト、呉服屋さんのパンフレット作成、ブロードバンド回線のLP、スポーツジムのwebサイト…自分たちの技術をお金に換えられるなら、なんでも作りました。
1サイトまるごと作って6万円(!)という某代理店の仕事、アパレル企業の学生バイトへのデザイン指導、果てはインテリアコーディネートという門外漢な案件にも手を出しました。
残念ながら、自分が望んでいたような「世界を相手に戦っていけるようなECの仕事」はありませんでした。「自分のレベルに合った人しか、自分の周りには集まらない」と言われるように、僕がECの仕事で食べていけなかったのは、僕自身のレベルが低かったからだと思います。
今日を生きるために、むしゃむしゃと雑食する時期が数年続きました。この時代あってこその今ですが、決して戻りたくはありません。
価格決定権が顧客側にある世界
当時の僕には、営業協力してくれるパートナーがいました。
そのパートナーはとても弁が立つタイプのSEさんで、いろんな案件を紹介してくれましたが、「デザインに50万円も出せる人はいないから、30万円ぐらいで見積もり出せます?」と言うのです。価格決定権が顧客側にある世界だと痛感しました。
そんなことが繰り返されるうちに、このまま雑食生活を続けていても、自分の価値は一生高まらないと思ったのです。そもそも、web制作は参入障壁が超絶低いレッドオーシャン中のレッドオーシャンの世界です。フリーランサーたちと同じ土俵で勝負していたら、5年で潰れると感じていました。
その時、もう一度「自分には何ができるのか」を見つめ直しました。
僕にはECコンサルとしての経験があります。誰もが知っているような大企業から楽天の有名店舗まで、通販を成功させたいと願う人たちの近くで、その成功と失敗をつぶさに見てきました。そして、弊社のデザイナーはECサイトを10年間作り続けてきました。様々なプラットフォーム、CMSのクセを知り尽くしています。
僕らはやはり「EC」に特化するべきだったのです。
それに気づいて以来、僕らは「ECサイト専門のデザイン事務所」と自らを名乗りはじめました。言葉には魂が宿ると言いますが、まさにその現象が起き、ECの仕事の比重がグングン上がっていきました。
ECを成功させたいからこそ、やるべきことがある
EC専門のデザイン事務所として徐々に安定を手に入れはじめた僕たちですが、それでも危機感は抱き続けていました。このままECサイトだけを作っていて良いのだろうか、と。
EC事業の支援は、デザインもコンサルも「結果が全て」です。結果とはすなわち売上や利益の最大化であり、それしか自分たちの価値を証明する指標がありません。
顧客の取り扱う商品が、マーケットインの発想から生まれた商品であれば、ECサイトの表面的な改善だけで売上が劇的にアップする可能性もあります。しかし、案件の半数は「プロダクトアウトで作った製品を、なんとか売ってほしい」という類の話です。スタート時点から見誤っていれば、ECサイトをどれだけオシャレにしても売れることはありません。
僕らは、EC支援のプロだからこそ、マーケティングやブランディングといった上流工程から、パッケージや同梱物のデザインといった下流工程まで、消費者とのコミュニケーションが発生する全てのポイントを改善していく必要があると痛感しはじめました。
そして現在、ブランディングの正しい理論、ブランドステートメント作成のイロハを学び、顧客へのサービスとして提供をはじめたのです。
2012年、単なる制作会社だった僕らは、やがてEC専門のデザイン事務所を名乗り、現在はブランディングに強いEC専門クリエイティブ・カンパニーという位置付けに変わっています。
ブログのネタに困った書き出しから、気づけば長文になってしまいました。本日はここまで。