【共感デザインラボ】ECサイトのバナー研究 vol.4
共感デザインラボ担当の栗田です。
今回のラボも前回に引き続き、フレームワークの流れに沿って制作をしました。
さっそく今回もお題に挑戦していきましょう。
前回と同様に架空クライアントにインタビューを行い、下記のように当てはめていきました。
Q1.クライアントは誰か?(Who)
M株式会社
(人工パール、レトロアクセサリーを取り扱うお店)
Q2.何を作るのか?(What)
・Googleのディスプレイネットワーク広告
【目的】
・新規顧客の獲得
・ECサイトへの誘導
・レトロアクセサリーの売上アップ
【仕様】
・サイズは336px×280pxで制作。
・ファイル形式はJPEG、PNGまたはGIF。
【リンク先の概要】
・現行のECサイトのトップページ
【製品・サービス特徴】
・倉庫で長期間保管していた、1950〜70年代アメリカに輸出していたネックレスの見本。(数百本)
・当時ビーズの加工技術が高く売られていた。
・F2層に人気がある。
・卸売中心。
・品質が良い。
・当時の職人がひとつひとつ作ったネックレス。
・デットストック品のため、中古品ではない。
・リペア、クリーニングをしてから販売をしている。
(留め具の修理、清潔なクロスで磨く、ワイヤーの取り替えなど)
・玉は当時のもので、今では再現ができない色。
【ターゲット】
レトロファッションに興味があり、通販経験が豊富なF2層女性。
【ペルソナ】
B子さん(45歳女性)。同い年の夫と高校生の娘(18歳)の3人暮らし。職業はパート。月に使えるおこづかいは一万円。
幼い頃は、おしゃれな母に憧れを抱いており、よく母のアクセサリーを勝手に付けて遊んでいた。
ファッションに興味を持っており、暇な時間はよく服やアクセサリーのネットショップをチェックしている。中でもレトロファッションを好んで着ており、蚤の市などに行っては、幼少期に触れていたようなレトロアイテムを購入している。
そんな中、近年若者の間でレトロファッションが流行し始め、娘も興味を持ち始めたため、折角なら一緒に使えそうなレトロアクセサリーを持ちたいと考えている。
買うなら品質の良いものが欲しいと思っていたが、どのお店も当時のような色や質感のあるネックレスは売っておらず、おもちゃのような安っぽいものしか見当たらない。
また、本物のレトロアクセサリーは高価なイメージがあるため、少ないおこづかいでも購入できる価格のものを探している。
Q3.どこに設置するのか?(Where)
Googleの提携サイト内
Q4.いつまでに完了するのか?(When)
2020年2月中に掲載予定。
Q5.なぜ必要なのか?(Why)
【クライアントの想い】
・朝ドラなどをきっかけにレトロアクセサリーを見て、「逆に新しい」と感じてもらいたい。
・オール一点物で高品質なため、レトロ好きの人に展開していきたい。
・種類が豊富なため、流行を楽しみながらネックレスを見てもらいたい。
・全品一律2500円と主婦や学生の少ないおこづかいでも買える価格のため、色々な種類のネックレスを購入してもらい、コーデのバリエーションを増やしてもらいたい。
・今では再現が難しい当時の色や質感を楽しんでもらいたい。
【クライアントの狙い】
・レトロネックレスの売り上げを伸ばしたい。
・古く、高価格での販売は難しいため、レトロ好きの人に一番良い価格で販売したい。
・あくまでも見本品で数に限りがあり、売り続けることができないため、在庫をゼロにすることを目標としている。
・卸売は消費者の声が届かない。そもそも在庫が少なく、小売店で売ることが難しいなどといった理由により、自社サイトで販売をしているが、自分たちが思っているペースで売れていないため、Googleのディスプレイ広告を使って顧客を呼び込みたいと考えている。
上記のようにフレームワークに当てはめることで、この案件の最大のポイントは
品質の良い一点物をレトロ好きの人に展開し、価値を感じてもらうことで、リピータになってもらうこと
と考えました。
そこから導き出したクライアントが解決すべき課題を一言で言うと、
F2層女性に「今では作ることのできない一点物」という価値を訴求し、ECサイトへ誘導するです。
そこで、この課題を解決するために、2案仮説を立てました。
【A案】
昔懐かしい雰囲気の絵柄(または写真)を使用することにより、
「現代にはない当時ならではの魅力・世界観」といった価値を感じてもらい、この時代に触れてみたいという興味に繋げる。
【B案】
今では再現できない当時の風合いを持った”一点物”という希少性を訴求することで、高い価値観を味わってもらう。
また、一点物に重点を置くことで、他人と被らないものが欲しいという欲求に繋げる。
この仮説を元にデザインコンセプトを考えました。
- 【A案】
- 1950〜70年代に流行ったイラストや柄、写真の雰囲気に近づける。
- その時代にはその時代ならではの魅力があるということが伝わるキャッチコピーを使用する。
- くすんだ色味を使用することでレトロ感を表現する。
- 「世界中であなただけのネックレス」のようなキャッチコピーを使用し、希少価値のあるものだと感じでもらう。
【B案】
そして、出来上がったデザインがこちらです。
A案
【コンセプト】
当時ならではの「魅力・世界観」という価値を感じてもらうデザイン
当時(1950年頃)にしか表現できない世界観という魅力的価値を訴求するため、1950年頃の雰囲気を感じさせる色味・質感を表現しました。
B案
【コンセプト】
一点物ということを強調し、希少性・価値を感じてもらうデザイン
「一点物」「世界であなただけ」というキーワードに重点を置き、希少価値のあるものだと伝わるようにしました。
また、レトロ感を出すために、少しくすんだ写真を使用しました。
まとめ
前回に引き続きフレームワークを使用しての制作だったため、考え方にも慣れてきたと思っていましたが、またしてもペルソナの情報が足らず、ブレてしまっていたため、最終的に本来のターゲットとはズレたデザインとなってしまいました。
また、キャッチコピーがなかなか思いつかず、全く心に響かないものとなってしまいました。
今後は、本の帯や街中で見かけるポスター、テレビのコマーシャルなどで使われるコピーをもっと考えて見なければいけないと反省しました。
次回は上記の反省点を改善できるよう、日頃から身近なものを意識して見ていき、何故そのコピーになったのか、深く追求していきたいと思います。